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技術のこと

SanityでCMSを試してみた感想 - AIがサイトを更新する時代のCMS選び

最近、ヘッドレスCMSの「Sanity」を使い始めました。

結論から言うと、なかなかいいです。

ただ、それ以上に感じたことがあります。これからのCMS選びは「AIとの相性」で決まる時代になるということです。

管理画面を人間が触らない時代が来る

少し先の話に聞こえるかもしれませんが、私はこう考えています。

将来、サイトの更新は人間ではなくAIが担うようになる。

「営業時間を変更したい」「新しいお知らせを載せたい」「写真を差し替えたい」

こういった作業を、管理画面にログインして自分で操作するのではなく、AIに話しかけるだけで済むようになる。

実際、今のAI(Claude)はSanityのデータを直接編集できます。「営業時間の表記を全ページ統一して」と頼むと、該当箇所を探して自動的に修正してくれる。

これは「便利な機能が増えた」というレベルの話ではありません。サイト運用の前提が変わるということです。

そうなると、CMSに求められることも変わる

従来のCMS選びは「人間が使いやすいか」が基準でした。

  • 管理画面は直感的か
  • マニュアルなしで操作できるか
  • 日本語対応しているか

これからは、それに加えて「AIが扱いやすいか」が重要になります。

  • データが構造化されているか
  • AIが内容を正しく理解できるか
  • AIが安全に編集できる仕組みか

この観点で見ると、ヘッドレスCMSは非常に相性が良いのです。

そもそもヘッドレスCMSとは?

簡単に説明します。

従来のWordPressは、「管理画面」と「表示されるサイト」が一体になっているCMSです。レンタルサーバー1つ借りれば、管理画面もサイト表示も全部そこで動きます。

一方、ヘッドレスCMSは、「データを入力する場所」と「サイトの見た目」を完全に分けているCMSです。

具体的には:

  • Sanity(データ側): 文章や画像などのコンテンツを保存・管理
  • ホスティングサービス(表示側): サイトを実際に表示する場所(別途必要)

つまり、Sanityだけではサイトは公開できません。サイトを表示するためのホスティングが別途必要です。(この点は後でコストの話で詳しく触れます)

この「分離」が、AIとの相性を良くしています。

  • データが整理された形で保存されている
  • 「ここに何が入っているか」が明確
  • 変更しても他の部分に影響しにくい

WordPressのように自由度が高いと、AIが「どこを触っていいか」判断しにくい。ヘッドレスCMSは構造がはっきりしているので、AIが安全に操作できます。

Sanityの良いところ

AIで直接編集できる

これが最大のメリットです。

Sanityは公式でAI連携の仕組み(MCP)を提供しています。AIがデータを読み取り、編集し、保存するところまで自動でできます。

たとえば:

  • 「会社概要の住所を新しいものに変更して」
  • 「全ページのフッターの電話番号を統一して」
  • 「ブログ記事を5件追加して」

こういった依頼を、管理画面を開かずにAIに頼むだけで完了します。

入力フォームが決まっているので、サイトが壊れにくい

WordPressでサイトを作ると、納品後に少しずつレイアウトが崩れていくことがあります。

Sanityの場合、「文章を入力する欄」「画像を入れる欄」がはっきり分かれているので、人間が操作しても、AIが操作しても、サイトが壊れにくい。

Sanity自体の無料枠が太っ腹

  • 20人まで無料
  • 10,000件までデータ保存可能
  • 従業員が数名の会社なら十分

ただし、先ほど書いた通り、サイトを表示するためのホスティングは別途必要です。(コストについては後述します)

残念なところ

画像のアップロードはまだAIからできない

テキストの編集はAIでできますが、画像のアップロードは今のところ手動です。ここは今後のアップデートに期待しています。

初期構築には専門知識が必要

WordPressのように「自分でインストールしてすぐ公開」という手軽さはありません。初期構築は制作会社に依頼するのが現実的です。

SanityとWordPressの比較

「AIがサイトを更新する時代」を見据えた比較です。

項目SanityWordPress
-------------------------
AIとの連携公式対応(直接編集可能)プラグイン依存(限定的)
データ構造整理されている(AIが理解しやすい)自由度が高い(AIが判断しにくい)
サイトが壊れるリスク低いやや高い
月額費用無料〜月2,000円程度(後述)月1,000〜3,000円程度
初期構築制作会社に依頼自分でも可能
日本語情報少なめ豊富

ランニングコストの話(正直に書きます)

「Sanityは無料」という情報を見かけますが、これは半分だけ正しいです。

Sanity自体は無料で使えます。ただし、サイトを表示するためのホスティングが別途必要です。

具体的なコスト比較:

構成月額費用
----------------
Sanity + Vercel(無料枠)実質無料(小規模サイト向け)
Sanity + Cloudflare Pages実質無料(商用でも無料枠で収まることが多い)
Sanity + VPS月700〜1,500円程度
WordPress + レンタルサーバー月1,000〜3,000円程度

VercelやCloudflare Pagesには無料枠があり、小規模なサイトならこれで十分です。

結論として、「Sanityの方が圧倒的に安い」とは言えません。ただし、無料ホスティングを活用すれば、同程度かやや安く運用できる可能性はあります。

コスト面での選択理由より、AIとの相性を重視して選ぶのが良いと考えています。

小規模事業者にとってのメリット

「AIがサイトを更新する」と聞くと、大企業向けの話に聞こえるかもしれません。

でも実は、小規模事業者こそメリットが大きいと考えています。

更新作業の負担がなくなる

「サイトを更新しなきゃ」と思いながら後回しにしていませんか?

AIに任せれば、「お知らせを載せて」と伝えるだけ。管理画面の操作方法を覚える必要もありません。

専門知識がなくても運用できる

「パソコンが苦手」「CMSの使い方がわからない」という方でも、話しかけるだけでサイトを更新できます。

制作会社への依頼も減る

ちょっとした修正のたびに制作会社に連絡する必要がなくなります。AIに頼めば、その場で対応完了。

よくある質問(FAQ)

Q. AIにサイト更新を任せて大丈夫ですか?

ヘッドレスCMSの場合、データ構造が決まっているので、AIが誤って関係ない部分を壊すリスクは低いです。また、変更履歴が残るので、万が一の場合も元に戻せます。

Q. AIへの指示は難しくないですか?

普通の日本語で大丈夫です。「営業時間を10時から18時に変更して」「新しいお知らせを追加して」など、話しかけるように伝えるだけです。

Q. WordPressでもAI連携はできますか?

プラグインで一部対応できますが、Sanityほど深い連携はできません。WordPressは構造が自由な分、AIが「どこを触るべきか」判断しにくいという課題があります。

Q. 今すぐSanityに乗り換えるべきですか?

今のサイトがWordPressで問題なく運用できているなら、急いで乗り換える必要はありません。新規でサイトを作るとき、またはリニューアルのタイミングで検討するのが良いと思います。

Q. Sanityは無料で使えますか?

Sanity自体は無料プランがあります(20人まで、10,000件まで)。ただし、サイトを表示するためのホスティングは別途必要です。VercelやCloudflare Pagesの無料枠を使えば、小規模サイトなら実質無料〜低コストで運用できます。

Q. うちの会社にはどちらが合っていますか?

「自分で管理画面を操作したい」ならWordPress、「AIに任せて楽に運用したい」ならSanityが向いています。迷ったらご相談ください。

結論:CMSは「AIとの相性」で選ぶ時代へ

まだWordPressが最適なケースもあります。情報が豊富で、自分で操作したい人には向いています。

ただ、私はこう考えています。

数年後、サイトの更新作業を人間が直接やることは少なくなる。

「管理画面にログインして、該当ページを開いて、テキストを書き換えて、保存ボタンを押す」

この作業を、わざわざ人間がやる必要がなくなる。AIに「これ直しておいて」と伝えるだけで済む。

そのとき、AIと相性の良いCMSを選んでいたかどうかで、運用のしやすさが大きく変わります。

今すぐ全員がSanityに乗り換えるべきとは言いません。ただ、新しくサイトを作るとき、CMSを選ぶときには、「AIとの相性」という視点を持っておくことをおすすめします。

「うちの会社にはどんなCMSが合っているんだろう?」と思ったら、ぜひ一度ご相談ください。今の状況と、これからの運用を一緒に考えます。