合同会社ふくふく
仕事のこと

電車の中でブログを書けた日に決めた、さくら→Cloudflareへの移行計画

電車の中で、ブログが書けた。

先日、移動中の電車の中でスマホを取り出し、Claudeアプリでブログ記事を書いて、そのままSanityに投稿した。3分くらいの作業だった。

「あ、これもうWordPressには戻れないな」と思った。そして同時に、心の中でもう一つの計算が走り始めた。

「そういえば、いま毎月いくら払ってるんだっけ?」

まず、毎月いくら払っているのか棚卸しした

合同会社ふくふくのコーポレートサイトと「にゃんこならべ」のサイトは、どちらもさくらインターネットのスタンダードプランで動いている。どちらもWordPress製だ。

  • さくらのレンタルサーバ スタンダード:月660円(年7,920円)
  • そこに載っているもの:
    • コーポレートサイト(WordPress)
    • にゃんこならべサイト(WordPress)
    • 独自ドメインのメール(info@…)

さらに、さくらで管理しているドメインが4つ。全部 .com だ。

  • .com ドメイン × 4 = 1個3,220円/年 → 合計12,880円/年

合わせると、年間およそ 20,800円。一つひとつは小さな金額でも、束ねると意外と重い。しかも、いまの構成で本当にこの金額が必要なのか、真面目に計算したことが一度もなかった。

立ち上げたばかりの会社にとって、固定費は1円でも軽い方がいい。腰を据えて、構成全体を見直すことにした。

結論:全部Cloudflareに寄せるより「適材適所」が安い

最初は「全部Cloudflareに移して、限りなく0円にしよう」と意気込んでいた。

Cloudflareは静的サイトのホスティング(Cloudflare Pages)・DNS・CDN・WAFを、ぜんぶ無料で提供している。VercelやNetlifyと並べても、無料枠が一番太い。

サービス静的サイト配信の無料枠商用利用での注意
Cloudflare Pagesリクエスト無制限/ビルド月500回帯域も無料
Vercel帯域100GB/月商用利用で課金が膨らみやすい
Netlify帯域100GB/月商用は有料プラン推奨

サイトが小規模なら、Cloudflareは「無料枠を超えようがない」と言っていいレベルだ。

ドメインも、Cloudflareは強い。Cloudflare Registrarは 原価販売(マークアップ0) を掲げていて、.com は1個およそ1,600円。さくらの3,220円のほぼ半額だ。WHOISの代理公開もDNSSECも無料で付いてくる。

ところが、メールで詰まった。Cloudflareには独自ドメイン宛のメールを転送する「Email Routing」という無料機能があるけれど、これは受信転送の専用機能。独自ドメインから送信するにはResendなど別のSMTPサービスが要る。無料枠はあるが、設定の手間とトラブル時の切り分けを考えると、現実的じゃない気がしてきた。

そこで出した結論がこれ:メールだけは、さくらの「メールボックスプラン」(年およそ1,048円)に残す。

ホスティングとドメインはCloudflareへ。メールは、使い慣れたさくらにそのまま残す。全体像はこうなった。

項目現状(さくら)移行後
ホスティング7,920円0円(Cloudflare Pages)
ドメイン .com×412,880円約6,400円(Cloudflare Registrar)
メール(上記に同梱)約1,048円(さくらメールボックス)
CMS0円(Sanity)
合計約20,800円/年約7,448円/年

年20,800円 → 約7,448円。およそ64%カット、年13,000円超の削減。

「全部一社に寄せる」を諦めて「適材適所で安いものを組み合わせる」方が、結局トータルで安く・楽になった。これは移行計画を立てる中で得た、地味だけど大事な学びだった。

なぜCloudflareなのか — DNSが「気持ちいい」

Cloudflareを選んだ一番の理由は無料枠の太さだけれど、もう一つ大きいのが DNS管理の体験の良さ だ。

これは使っている人にしか伝わりにくい感覚なんだけれど、

  • 反映が爆速(レコードを変えると数秒で世界中に反映される)
  • 管理画面のUIが分かりやすい(他社のDNS画面と比べて圧倒的に直感的)
  • DDoS対策が自動で付いてくる(設定不要)

DNS変更って、本来「数時間〜数日かけて世界に伝播する」のがあたりまえだった。それがCloudflareだと数秒。一度慣れると、もう戻れない。DNS・CDN・ホスティング・WAFを1社で完結できると、トラブル時の切り分けも一気に楽になる。

正直に言うと、いま詰まっています

ここまで読むと順調そうだけれど、実際の作業は 結構つまずいています。

最初は「いまのWordPressサイトをそっくりコピーした静的版を作って、配信だけCloudflareに変えよう」と思っていた。ところが、これがうまくいかない。

  • ブラウザの開発者ツールでHAR(全パーツのログ)を抜いて再構成 → うまく組み上がらない
  • WordPressテーマのコードをAIに渡して再現を依頼 → 似て非なるものができる

原因はおそらく、ブロックエディタ(Gutenberg)の出力構造が複雑すぎる こと。ブロックごとに固有のクラスやCSS変数が動的に生成されるので、外から見た「完成品のHTML」を再構成しようとすると、依存関係が膨れ上がる。

調べてみると「Simply Static」というWordPressプラグインがあって、これはWordPress内部から全ページをレンダーして静的HTML・CSS・画像を一括書き出しできるらしい。次はこれをAIと一緒に試す予定。

ただ、今回は思い切って コピーは諦め、この機会にデザインを刷新する ことにした。どうせSanityに載せ替えるなら、構造から見直した方が長期的には軽い。「移行ついでにリニューアル」は遠回りに見えて、結局は近道なのかもしれない。

6月末までの移行計画 — 急ぐもの、急がないもの

計画を立てて気づいたのは、全部を同時にやる必要はない ということ。請求のサイクルを見ると、優先順位が自然に決まった。

① まず急ぐ:レンタルサーバーの卒業(6月末まで)

さくらのレンタルサーバは毎月払い。止めない限り月660円が発生し続けるので、ここを断つのが最優先。

  1. コーポレートサイトのデザインを刷新してCloudflare Pagesへ
  2. にゃんこならべサイトも同様に移行
  3. メールをメールボックスプランへダウングレード
  4. レンタルサーバを解約

② 急がない:ドメインの移管(年内でOK)

ドメインの次回更新は、コーポレートのもので12月、ほかは来年4月。慌てて移す必要はないので、更新時期に合わせてCloudflare Registrarへ順次移管していく。

ちなみに棚卸しをしていて気づいたのだけれど、うちはさくら以外にもエックスサーバーに別のサイトを置いていた。固定費というのは、こうして気づかないうちに、あちこちへ散らばっていく。そちらの整理は、また別の機会に書きます。

同じことを考えている方へ

もしあなたも、

  • 毎月のサーバー代を、なんとなく払い続けている
  • サイトの規模はそれほど大きくない
  • 編集はオーナー1人か、少人数

こういう状況なら、構成を見直すだけで年に数千円〜数万円の固定費を圧縮できる可能性が高い です。

「うちのサイトでもできるかな?」と気になった方は、ぜひ一度ご相談ください。いままさに自社で実践している最中なので、判断のポイントや、つまずきがちな箇所を、リアルにお伝えできます。

移行が完了したら続編で、「実際にいくら浮いたか」「Simply Staticは本当に使えたか」「どこで詰まったか」を、包み隠さず書きます。